ショパン:エチュード Op.10
アルフレッド・コルトー:1933年7月4日~5日録音
ショパン:エチュード Op.10 No.1~No.6
ショパン:エチュード Op.10 No.7~No.12
クラシック音楽の世界では「黄金の50年代」「銀の60年代」と言うことがよく言われます。しかし、このようなSP盤の古い録音を聴いていると30年代もまたもう一つの「黄金の時代」であったこと気づかされます。
それは、フルトヴェングラーやトスカニーニというマエストロたちにとって「黄金の50年代」はすでに黄昏の時代であり、彼らにとって真に輝ける時代だったのは30年代だったからです。
それはまたこのコルトーにおいても同様だったからです。
未だ戦争の足跡は幽かにしか聞こえず、大恐慌の余波は残りながらも古き良き時代の残照が照り映えていた時代でした。
その様な時代にあって、録音という技術はまさに時代の最先端を行くものであり、それを享受するオーディオは趣味の王様であったのです。それ故に、そこには時代のもっとも最良なるものがつぎ込まれました。
そして、その最良なるものの確かな姿がここにあることは疑いもない事実なのです。
- 第1番 ハ長調 作品10-1(アルペッジョの練習曲)
- 第2番 イ短調 作品10-2(半音階の練習曲)
- 第3番 ホ長調 作品10-3「別れの曲」(表題はショパン自身のものではない!)
- 第4番 嬰ハ短調 作品10-4[68](一番難しい曲!)
- 第5番 変ト長調 作品10-5「黒鍵」(あまり評判が良くない!?ビューロー曰く、「婦人サロン用練習曲」)
- 第6番 変ホ短調 作品10-6(外声と内声を弾き分ける指の独立を練習)
- 第7番 ハ長調 作品10-7(トッカータ風練習曲)
- 第8番 ヘ長調 作品10-8(右手の練習?)
- 第9番 ヘ短調 作品10-9
- 第10番 変イ長調 作品10-10(ビュロー曰く、「天分と空想に満ちた無窮動的性格を持った練習曲」だとか・・・)
- 第11番 変ホ長調 作品10-11(オクターブをしっかり弾いて手を広げる練習)
- 第12番 ハ短調 作品10-12「革命」(技術的には左手のための練習曲)