コルトー/ショパン:バラード第1番/1933年録音

ショパン:バラード第1番 ト短調 作品23

アルフレッド・コルトー:1933年7月6日~7日録音

SP盤の時代でも驚くほど音質の素晴らしいものに時々出会うのですが、この30年代の前半に行われたコルトーの録音はその中でも極上の部類に分類されます。
おそらく、ブラインドで聞かされればモノラル録音時代のLP盤だと思うはずです。

そう言えば、金属原盤が戦災などをまぬがれて残されている場合があって、そう言う原盤から復刻したものはかなり音質がいいという話を聞いたことがあります。このコルトーの復刻盤もそう言う金属原盤からの復刻かと思ったのですが、あれこれ聞いていると少し違うのかなと思う部分があります。

それは、全体としてはほとんどノイズがのっていないのですが、人気があってよく聞かれる部分が来るとパチパチノイズがのるのです。
例えば、ショパンのピアノソナタだと葬送行進曲の部分にだけノイズがのります。ピアノ協奏曲の第2番だと第2楽章「Larghetto」にだけ、同じようにノイズがのるのです。

金属原盤からの復刻だとそういう違いは発生ししないと思われますから、おそらくはほとんど未通針のSP盤から復刻したものと思われます。
それにしても、よくぞそう言うコンディションのよいSP盤が残っていたものです。