メンゲルベルク/歌劇「魔笛」序曲/ニューヨーク・フィル

モーツァルト:歌劇「魔笛」序曲

ウィレム・メンゲルベルク 指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック 1930年1月14日録音

さすがにこれはニューヨークでのメンゲルベルクだなと思わせられる演奏ですね。
もちろん、コンセルトヘボウと録音した「ボレロ」なんかも、メンゲルベルク&コンセルトヘボウという組み合わせから想像される音楽の形とは随分と違っていました。しかし、こういうトスカニーニを思わせるような演奏を聞くと、そこにはヨーロッパ大陸のオーケストラと新大陸のオーケストラとの、根本的な気質の違いを感じてしまいます。

冒頭と中間部分に現れる三つの和音の響きなどは、コンセルトヘボウをどれほど機能的に動かしてみてもなかなか実現するのは不可能な響きでしょう。
そして、そう言う根本的に気質の異なるオケを見事に使い分けて自由に操るメンゲルベルクというのも凄いものだと思ってしまうのです。