クナッパーツブッシュ/アイネ・クライネ・ナハトムジーク/ウィーン・フィル

モーツァルト:セレナーデ第13番ト長調 K.575 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」

ハンス・クナッパーツブッシュ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1940年5月12日録音

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の録音というのはどれほどあるのか分からないほど世に溢れていると思うのですが、クナッパーツブッシュが残したのはこのライブ録音だけだと思われます。
そして、このライブの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」こそは、聞き手がクナッパーツブッシュを許せるかどうかのリトマス試験紙に十分なりうる録音だと思われます。

第1楽章などはきわめて真っ当に、そして40年という時代に相応しい分厚い響きで堂々と演奏されます。
ピリオド楽器による演奏に慣れた耳には違和感はあるかも知れませんが、時代を考えればきわめて真っ当な演奏です。
続く「Romance」もやや遅めのテンポ設定ながらも十分に歌いこんだ美しい音楽が展開します。そしてその美しさにはさすがはウィーンフィルと思わせられます。
そして、「Romance」のテンポ設定を考えれば次の「Menuetto」のやや重めの舞曲も整合性は取れているように思えます。

しかしながら、そう言う「言い訳」の全てを最後の「Rondo」楽章はぶちこわしてしまいます。
おそらく、これを許容し楽しめる人にとってはクナッパーツブッシュは素晴らしい指揮者となるでしょうが、ふざけるな!!と思う真っ当な人にとってはあまり近づかない方がいいのかも知れません。

1件のコメント

  1.  貴重な音源を上げて頂き,ありがとうございます。私は,このロンド,ありです。なんと典雅で,古き良き時代の香りの漂う演奏なのでしょうか。ただし,1940年という録音年代を見れば,一種異様な気持ちになります。この徹頭徹尾”後ろ向き”の演奏に込められたクナッパーツブッシュの思いは何だったのでしょうか。少なくとも”おふざけ”ではなかったように私には思えます。一番悲しいのは,悲しい日に幸せだったことを思い出すことなのですから。

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