エーリヒ・クライバー/ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ「酒、女、歌」/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ「酒、女、歌」 op.333
エーリヒ・クライバー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1932年録音

20年代にはポルタメントを多用したウィンナー・ワルツを聞かせてくれていたものが、30年代になると別人のようなスタイルに変身しています。
いわゆる「即物主義」的な演奏というのは戦後になってからクラシック音楽界を席巻したように思っていたのですが、その萌芽となるような要素は既に胚胎していたのです。

もちろん、その背景にはトスカニーニの影響があったことは間違いないでしょう。
その意味では、この30年代初頭にエーリヒがある程度まとまった数を録音したウィンナー・ワルツは非常に興味深い物が有ります。

ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ「酒、女、歌」 op.333

「酒と女と歌を愛さぬ者は、生涯馬鹿で終わる」というマルティン・ルターの格言を基としてジョセフ・ベルの詩に音楽を付けた男性合唱曲がもとになっているそうです。

そう言えば、あの有名な「美しき青きドナウ」ももとは合唱曲でした。
そして、あの「美しき青きドナウ」も合唱曲から管弦楽曲に仕立て直すことで有名になったように、この曲も管弦楽になることで後世に名を残す名曲となりました。

ただし、合唱曲としての「美しき青きドナウ」は大失敗作だったのに対して、こちらの合唱曲は拍手喝采でむかえられたようです。