フルニエ/ドヴォルザーク:チェロ協奏曲/クーベリック指揮 フィルハーモニア管弦楽団

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104

(Cello)ピエール・フルニエ:ラファエル・クーベリック指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1948年10月18日~19日録音

フルニエと言えば1954年に初来日をして、その時のドイツのケンプとジョイント・コンサートを行って話題になったそうです。
それにしても、ケンプとコンビを組んで来日公演をしたというのは何かの因縁を感じます。

この二人の共通点と言えば、ともにナチス政権下で片方はドイツに、そしてもう片方は占領下のパリに残ったと言うことです。
ただし、ケンプに関して言えば、ナチス政権下でナチスに対してかなり迎合的な発言を行っていたことは否定しようがないのですが、フルニエの場合はその様な態度は取らなかったようです。

ただし、占領下のパリに残ると言うことは消極的であってもヴィシー政権を容認したと言うことなのですが、それはティボーの所でも述べたようにそれが一般的はナチス占領下におけるフランス人の態度でした。
そして、戦後はその様な重しが取れたように積極的に録音活動を始めます。

このドヴォルザークの協奏曲はチェロ奏者にとっては外すことの出来ない表看板みたいな作品なのですが、45年にはチェリビダッケの指揮で、そして48年にはクーベリックの指揮で録音をしています。
48年録音は音質も良好で、後年のフルニエを特徴づける端正でノーブルな音楽を聞き取ることが出来ます。