スッペ:序曲「軽騎兵」
エーリヒ・クライバー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1933年1月録音
この音楽はその昔小学校の音楽の教科書に「音楽鑑賞」の教材として掲載されていたので、殆どの人は一度はどこかで聞いたことがあるようです。
リッカルド・ムーティがニューイヤー・コンサートでこの曲を血上げたことがあり、その鞭がしなるような音楽作りに仰け反ったものです。そして、そのしなやかでありながら、まるで超合金の鎧をまとったような響きは近未来の「軽騎兵」を想像させたものです。
Wikipediaによれば、「軽騎兵」とは「最小限の装備で足の速さを活かして後方撹乱や奇襲を主とした戦闘を行う兵種」だそうです。
そうだとすれば、このエーリヒの軽騎兵はいささか重装備かも知れません。
ちなみに、楯と鎧を身にまとって敵の主力を壊滅させる役割を持つのが「重騎兵」だそうですから、このエーリヒの音楽は「重騎兵序曲」のような雰囲気があります。
とは言え、少し前のエーリヒならば、モロッコなどでやられているアクロバット馬術の「ファンタジアショー」みたいになっていたかも知れませんから、ここにもまた、変わりつつあるエーリヒの姿がしっかりと刻み込まれているのかもしれません。