クリュイタンス/ラヴェル:ラ・ヴァルス/パリ音楽院管弦楽団

ラヴェル:ラ・ヴァルス

アンドレ・クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団 1951年4月30日録音

この録音はミンシュからコンセルヴァトワールのオケを引き継いでから2年後の録音です。クリュイタンスはこのオケを引き継いですぐにラヴェルの録音を集中的に行っています。
しかし、その演奏ははっきりと言ってラヴェルらしい精緻にさには欠ける演奏でした。

最近気付いたことなのですが、戦時中の録音でも、戦後すぐの録音でも、ドイツのオケとフランスのオケではクオリティ面では大きな差があります。それはオケの気質などと言うレベルでおさまる話ではなくて、「ショボイ」と思えるレベルの録音に数多く出会います。
そう言う録音の背後から戦争とナチス占領による打撃の大きさが浮かび上がってきます。
そして、その困難は50年代の初頭であってもまだ癒えないことをこれらの録音は如実に物語っています。

もっとも、それが「田舎の平和」に甘んじているとも言えるのですが、そう言う「平和」に活を与える気持ちがクリュイタンスにはなかったことも明らかなようです。

華やかなワルツの世界が少しずつ乱れはじめ、やがてはそれが崩壊し突然の終焉を迎えるというこの作品が、このコンビの行く末を暗示しているように聞こえたりします。


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