シューリヒト/エロイカ/ベルリン・フィル 1937年録音

ベートーベン:交響曲第3番 変ホ長調 「エロイカ(英雄)」 作品55

カール・シューリヒト指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1937年録音

ネット上であれこれ調べてみてもこの録音について言及しているサイトはほとんどありません。最初は1941年録音のベルリンフィルとのエロイカと取り違えているのかとも思ったのですが、聞いてみれば、こちらの方がさらに速めのテンポで颯爽と進んでいきますから別の録音のようです。
しかし、そんな細かい事は分からなくても、この時期にフルトヴェングラーのようなドラマティックなベートーベンとは全く違う音楽をシューリヒトがやっていたと言うことだけは聞けばすぐに分かります。

シューリヒトとベルリンフィルとのつながりと言えば1926年まで遡ります。
なかなか指揮者として芽のでないシューリヒトが、自費でベルリンフィルを雇って公開演奏会を開くという大勝負に出たのが両者の出会いです。

そして、この大勝負はフルトヴェングラーの目にとまり、ゲヴァントハウス管弦楽団の客演指揮に招かれるなどして少しずつキャリアが開けていくことになります。しかし、ナチスを嫌っていたシューリヒトですから、そのキャリアが順調に伸びていくはずもなく、1944年にはついにスイスに亡命せざるを得なくなります。
ですから、彼が順調にキャリアを伸ばしていくのは戦後になってからであり、名実ともに巨匠としての地位を確率するのは最晩年になってからです。

その意味では、ここには意に任せぬ苦労多き時代のシューリヒトの姿が刻み込まれているのかもしれません。

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