フルトヴェングラー/ベートーベン:交響曲第1番/コンセルトヘボウ管弦楽団 1950年録音

ベートーベン:交響曲第1番 ハ長調 作品21

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1950年7月13日録音

フルトヴェングラーとコンセルトヘボウと言えばさぞかし何度も共演してたいたのだろうと思えば、何と戦後に関して言えばこの1回きりだそうです。さらに詳しく調べてみれば、戦前もわずか2回しか共演していないようなのです。
さらに、この演奏会も1947年からはじめられた「オランダ音楽祭」という特別な行事の一環としてコンセルトヘボウが招いたものでした。

それは言葉を返せば、そう言う「特別」な事でもない限りこの両者の間には接点がなかったと言うことです。
プログラムはレオノーレの3番と交響曲の第1番、そしてメインがブラームスの交響曲第1番でした。

面白いと思ったのは、このベートーベンの1番はオーケストラの響きも作品の造形もフルトヴェングラーにしては随分とスッキリした感じがすることです。
レオノーレの方はピアニシモとフォルテの落差を随分と大きくとって、例えばコーダに入る直前にぐっと腰を落とすように静まりかえることで最後の爆発を効果的にしているのですが、そう言うあざといことはやっていません。
ただし、そのアプローチはこの交響曲がもっている古典的均衡には相応し表現だと言えそうです。