バラキレフ:交響曲第1番 ハ長調
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1949年9月18日,21日&22日録音
情報の出所ははっきりしないのですが、色々なサイトで、これはフィルハーモニア管弦楽団の録音事業のスポンサーだった南インドのマハラジャ、マイソール大公のリクエストに応えて行われたと書かれています。
そして、そのマハラジャのもう一つのリクエストがルーセルの交響曲第4番でした。
バラキレフとルーセルという要望を見る限りでは、そのマハラジャの好みが奈辺にあったのかはなかなかはっきりと見えてきません。(^^;
敢えて言えば、バラキレフはロシア風の色合いが濃いですし(特に第3楽章のAndante)、ルーセルの方はフランス風の色合いが濃くて、そして、どちらも3管編成です。
つまりは、民族的で派手な音楽がお好みだったのかもしれません。
驚くのは、これらの作品は膨大な録音を行ったカラヤンでさえも、これ1回キリだったということです。
ですから、広い守備範囲を誇ったカラヤンでさえも、それほど喜んで取り組みたい作品ではなかったのでしょう。
それでも、実にキッチリと仕上げているあたりは、さすがはカラヤンです。
どんなに意に添わなくても、やると決めた以上はきちんと仕事は仕上げますというのは、言葉にするのは簡単でも実際にやるとなるとかなり大変だと言うことは多くの方がご自分の仕事で経験されていることだと思います。(^^v
こういう「仕事師」としての側面もまたカラヤンの偉さを担保していったのでしょう。