ヨッフム/モーツァルト:交響曲第40番 コンセルトヘボウ管弦楽団 1943年録音

モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 k.550
オイゲン・ヨッフム指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1943年11月21日録音

途中から雑音が混ざってくるのは残念なのですが、それでもこれは興味深い録音です。
この時ヨッフムは未だに41歳という若さなのですが、既に戦後の新即物主義による演奏を思わせるような直線的な音楽作りをしていたことが伺えます。

ヨッフムのモーツァルトといえば、50年代の前半にバイエルンのオケを指揮した録音を思い出すのですが、あそこではさらに筋肉質の、旋律よりは明らかにリズムを重視した「パワフル(?)」な演奏でした。
ところが、晩年になるにつれて、テンポを大きく動かして入念な表情づけを行うようになりました。その典型が最晩年にドレスデンのオケと録音したブルックナーでした。

そして、この変化を、元々は古きヨーロッパの体質をもちながら、戦後は流れに乗ってザッハリヒカイトなスタイルに変更していたのだと勝手に考えていました。ところが、この戦時中のト短調シンフォニーを聴いてみると、この直線的な造形こそがヨッフムの本質であり、それが晩年になるに従って変化したのだと言うことがはっきりと分かります。
なるほど、やはり視野を広くとらずに、限られた部分だけで物事は判断してはいけないようです。

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