アドルフ・ブッシュ&ワルター/ブゾーニ:ヴァイオリン協奏曲 1936年録音

ブゾーニ・フェルッチョ:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op. 35a

(Vn)アドルフ・ブッシュ ブルーノ・ワルター指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団 1936年12月3日録音

所々ノイズが混じり込んでいて聞き苦しいところはあるのですが、おそらくこれがこの作品が録音としてとらえられた最初のものかと思われます。
その録音がアドルフ・ブッシュのヴァイオリン、指揮がブルーノ・ワルター、オーケストラがコンセルトヘボウというのですから、何の文句もありません。

それにしても、ブゾーニといえばピアノの名人で、彼が書いたピアノ協奏曲は演奏時間が普通にやれば1時間を超えるというとんでもない作品で、ソリストに対して貴方はどこまで頑張れますかと問いかけるような作品でした。そんなピアノの人がヴァイオリンの協奏曲も書いていたというのは驚きなのですが、ピアノの時ほどの「阿漕さ」はないようです。

ワルターの指揮も、それに支えられたブッシュのヴァイオリンも、未だ古き良きヨーロッパの香りを失わない演奏で、そう言う空気感を味わえると言うことだけでも貴重な価値がある録音です。