カラヤン/第9/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1947年11月~12月録音

ベートーヴェン:交響曲第9番ニ長調作品125 「合唱


ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1947年11月3~6日,12月10~12日&14日録音
(S)エリザベート・シュワルツコップ/(A)エリザベート・ヘンゲン(T)ユリウス・パツァーク/(Bs)ハンス・ホッター

演奏禁止処分が公に解除され、戦後の活動を開始したカラヤンの地位を確保したのが47年12月20日に行われたウィーンフィルとのベートーベンの第9でした。
この録音はすでに述べたように、その公演のためのリハーサルのような位置づけで行われたものでした。

しかし、その成功に対して一部の識者からは矛盾に満ちた複雑な評価が与えられたようです。

「先週の週末、満員の劇場の中で、ベートーベンの交響曲第9番に熱狂的な喝采が送られた。・・・カラヤンはその解釈によってセンセーショナルな成功を手にしたのである。これはベートーベンの第9というより、むしろカラヤンの第9と言うべきものであった」

このようにその画期的な成功の模様とその演奏に対する一定の評価を示しながらも、その反面で複雑な感情も率直に付け加えていました。

「音楽による人間ドラマがパレード行進へと変えられ、革命的な自由宣言が戦いを叫ぶときの声へと変化し、熱烈な人間愛への意志と感情の飛翔が冷たい悪霊の力へと変えられたのである。」
そして、最後に「第3帝国でその経歴を開始した指揮者の解釈に、どうしてもその気風や好みが反映されてしまうのは当然のことである。」としめくくっていました。

こうして大衆の熱狂的支持と識者からの批判的な評価はこのスタートの時から萌芽はあったなのです。
そして、元ナチス党員という烙印の重さもまた否定しようがなかったのです。

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