トスカニーニ/序曲「レオノーレ」第3番

ベートーベン:序曲「レオノーレ」第3番 Op. 72b

アルトゥーロ・トスカニーニ指揮 NBC交響楽団 1939年11月4日録音

これもかなりの快速テンポの演奏なのですが、アンチェルの62年盤で感じたような切迫感はありません。
そう言う息を詰めたように走り抜けていくのではなくて、細かい部分のニュアンスなんかも結構大切にしていることに気づきます。

とは言え、直線的に突っ込んでいく場面では「さすがはトスカニーニ!!」と思わせる「凄み」というか「えぐみ」というか、そう言う余人の追随を許さぬ雰囲気はあります。

ただし、強奏部では音が完全に潰れてしまっているのが何とも言えず残念です。
また、大臣到着を伝えるファンファーレなんかも玩具の楽器みたいなちゃちい音になっています。

この時代のスタジオ録音ならばもっとクオリティが高いのが一般的なだけに、その点は実に残念です。