ハイフェッツ/ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番

アンリ・ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ短調 Op. 31

(Vn)ヤッシャ・ハイフェッツ:ジョン・バルビローリ 指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 1935年3月14日録音

ハイフェッツにとってこのヴュータンやヴィエニャフスキの協奏曲は名刺代わりみたいなものだったでしょう。
ところが、若い頃はこういう名人芸を披露する作品を取り上げていたのが、それなりに名をなすと次第に「精神性」で勝負するような作品にシフトしていく人が大半です。ところが、ハイフェッツはこれらの作品を年を重ねても頻繁に取り上げ録音も複数回にわたって残しています。

そう言えば、若い頃はお笑い芸人でかぶり物なんかもかぶって頑張っていたのが、それなりに功を遂げると、急に絵を描いたり映画なんかを撮り始めて、そんな過去などなかったような顔をする人が多いのですが、ハイフェッツにはそう言う「価値観」などは全くなかったようです。
彼は、年を重ねてもこれらの作品を真面目に取り上げて、ふぬけた精神性などはその突き抜けた名人芸の足元には及ばないことを知らしめたものです。

もちろん、この時期の名人芸たるや、凄いものです。
この時ハイフェッツ34才、バルビローリ36才でした。

疑いもなく、頂点めがけて駆け上がっていく時期のまぶしさにあふれた演奏です。

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