大和葛城山のヤマツツジ

人の手によって管理されているヤマツツジの大群落(写真は5月18日に撮影したものです。)

関西では知らぬものはないと言うほどに有名な大和葛城のヤマツツジです。しかし、このヤマツツジの大群落はそんなに古いものではありません。
数十年ほど前に山頂周辺の笹が一斉に花をつけて枯れてしまい、その後にヤマツツジが斜面全体を覆うようになったらしいのです。その昔、生物の時間に勉強した「植物遷移」を思い出しますね。(^^:

おそらくは、多年生植物の草原だったものが、その根っこが時間をかけて岩石などを風化させることで樹木が生育できる環境が準備されていたものと思われます。その条件が整った時点で笹の開花によって生じた「空間」にヤマツツジが一気に進出したのが今の大群落となったのでしょう。
確かに、ヤマツツジはこの大群落以外に山頂周辺にもたくさん自生していますから、いろいろなタイミングが重なってこのような大群落が生み出されたわけです。
と言うことは、この大群落はそのまま放っておくと、「生物学」の「植物遷移」の原則に従ってアカマツやコナラという陽樹の高木林に取って代わられ、最後はシイやカシのような陰樹の森林となって安定してしまうはずです。

しかし、そうなってはロープーウェイの会社も山頂近くのロッジも困るでしょうから、現在は人間の手でヤマツツジの生育を阻むような高木は処理されているようです。ですから、大和葛城のヤマツツジは人の手によって植えられたものではない自生のヤマツツジと言われるのですが、ヤマツツジの群落が今の状態で損できるように管理されているので、それは半分は正しくて、半分は間違いだと言えます。

ヤマツツジの鮮やかな赤い色

しかし、その様な人間の管理もあって、この群落はものの見事なまでに、ほぼヤマツツジのみで構成されています。探してみればヤマツツジの間にミヤマツツジのピンクも見えるのですが、群落全体は圧倒的にヤマツツジです。

所々にミヤマツツジのピンクが見えます

結果として、この群落は一斉に花をつけて一斉に花を終えます。
ですから、本当の「見頃」と言えるのはわずか1週間程度しかありません。

大混雑から抜け出す賢いアクセス

と言うことで、この見事なヤマツツジの群落を見ようと言うことでその短い期間にたくさんの人が集中するという問題を引き起こします。
さらに言えば、山頂近くまでロープーウェイが通じているというアクセスの良さもあって、その混雑は想像を絶するものとなります。

ピークの時にはロープーウェイには長蛇の列ができて2時間待ちというのが普通です。さらには、下山の時にも人が集中するので1時間待ちなんてな事になります。

午前11時の登山口駅。この時点で1時間待ちとのことでした。

さらに言えば、車で出かけたならば駐車場にも入れず、空きができるのを待つ車が長蛇の列を作ります。この駐車場の「空き」待ちで1時間程度浪費することも珍しくありません。
そして、恐ろしいのは、その混雑には平日も土日も違いがないと言うことです。あの「花の吉野」でも平日は休日と較べるとかなり混雑は緩和します。しかし、葛城山のツツジに関しては「平日だから何とかなる」と言うことを期待しては絶対に駄目です。

遊歩道はよく整備されています

では、この混雑を抜け出す方法はないのか!、と言えば、それはただ一つ、「早出」しかありません。
可能ならば朝の7時までにロープーウェイ駅の駐車場に着きたいものです。さすがにこの時間ならばスムーズに駐車場には止めることができますが、驚くなかれ、それでも広い駐車場スペースの半分近くは埋まっている感じです。(^^;
今日は7時半頃に到着したのですが、残りはあまり空いていないという感じだったので胸をなで下ろしました。

そして、これは大きな声では言えないのですが(そして、不思議なくらいに誰も書いていないのですが)、ツツジが見頃のシーズンはロープーウェイは7時頃から動いていることが多いようです。
今日も7時半に登山口駅に到着して、そのまま待ち時間なしでロープーウェイに乗ることができました。

見事なまでの赤一色の世界です

このペースで動けると、山頂で3時間近くゆっくりとツツジを見たり山容からの絶景を堪能しても11時前には下りのロープーウェイに乗れますから、これまた待ち時間なしで下山できます。
つまりは、速く動けば動くほどスムーズに事が運び、そこから少し後れて混雑に飲み込まれると二進も三進もいかなくなるのが葛城山のツツジです。

ただし、葛城山のロープーウェは時刻表では始発が9時となっています。いつの時期から早朝運転をしているのかは一切どこを見ても書いていません。問い合わせをしても明確に答えてくれないみたいなので、例え動いていなくても早めに行って始発の整理券をもらえるくらいのつもりで行動するほうがいいようです。

正面にツツジと金剛山の勇姿

山頂駅からツツジの群落までは1キロほどあります。だらだらとした上りなのですが運動靴で行った方がいいでしょう。やがて、左手に「白樺食堂」の建物が見えてくると、道はツツジの大群落と山頂方面に分かれます。できれば、山頂に立ち寄って眺望を楽しんでからツツジの大群落に向かった方がいいでしょう。

山頂からの眺めも素晴らしいです

山頂から眺めを楽しみながらツツジの大群落に向かう道もあるからです。

ここから印象的なのは、我が住まう街から毎日眺めている金剛山の勇姿です。
まさに目の前にどっかりと腰を据えたその姿は貫禄十分です。

どっしりとした金剛山の雄姿

やがて、道は国民宿舎「葛城高原ロッジ」の方に下りていくのですが、そこから少し下りていった展望台から眺める金剛山とツツジのコラボレーションは惚れ惚れするほどの見事さです。

金剛山とヤマツツジのコラボレーション

圧倒的なヤマツツジの大群落

葛城山のツツジは「一目百万本」と言われます。さすがに「百万本」は誇大表示でしょうが(^^;、そう言いたくなるほどの圧倒的な迫力です。
ロッジの前から道はツツジの大群落に向かって下っていくのですが、その群落の中に入ってしまうと、右を見ても左を見ても、前を見ても後ろを振り返ってもそこは「赤」一色の世界です。それを見るたびに、例え二時間、三時間待ちの「苦行」を乗り越えてでも見に来る価値はあると思ってしまいます。

一目100万本!!

今日は素晴らしい快晴だったのですが、本当のことを言うと、ツツジの群落は「雨の日」こそがベストです。雨に濡れることでツツジの「赤」がさらに鮮やかさを増すからです。
普通は山に入って雨に遭うとがっかりするのですが、ツツジを見に行くときだけは雨の日こそがベストです。そして、そのツツジはヤマツツジだけに限らずドウダンツツジなんかでも同じらしいです。

遊歩道はよく整備されています

ヤマツツジの大群落は「ツツジ園」と言うことになっているので、その間を回遊する道はよく整備されています。そして、その遊歩道のどこから見ても「赤」一色の世界は少しずつ表情を変えるので飽きると言うことはありません。それは、植える段階から全て人の手が入っている「ソメイヨシノ」と、自力で生まれてきた「ヤマツツジ」の違いでしょうか。
同じ一色に染め上げても、どこか嫌らしさとあざとさを感じてしまうソメイヨシノの世界とは明らかに違います。

葛城山ロープーウェイ 登山口駅へ

ツツジが見頃の時期には臨時の駐車場なども設置されるのですが、それでも大混雑しますので、出かけるときは早出を心がけてください。
なお、近鉄御所駅からバスも全力でピストン運転していますので、始発の8時40分に乗れるように行けばかなり混雑から抜け出せるかもしれません。

なお、ロープーウェイに乗るために2時間も待つのならば自分の足でのぼってしまえと言う人もいると思います。そう言う人は「櫛羅の滝ルート」が体力的には一番楽なようで、頑張れば1時間半程度で山頂にたどり着けます。


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