ハイフェッツ/パガニーニ:24の奇想曲より

パガニーニ:24の奇想曲 Op.1より No.13 & No.24

(Vn)ヤッシャ・ハイフェッツ 1934年2月19日,21日&23日

この時代のカプリースはピアノ伴奏つきに編曲して演奏するのが一般的だったようで、メニューヒンもその形で録音を残しています。
つまりは、それだけこの作品をヴァイオリン一挺で演奏するのが困難だった事もあるのでしょうが、それよりもポルタメントを多用した叙情的な音楽として提示するためにはその方が都合がよかったのでしょう。

ただし、これがこの時代の最先端のテクニックだと言っていいでしょうから、これとガゼッタの録音を聞き比べてみると、様式的な違いはあるので簡単に比較はできない部分あるでしょうが、それでもあのガゼッタの演奏は驚天動地だと言わざるを得ません。
そして、それだけに、その様な驚天動地も言うべき存在が、いかに第2次世界大戦があったとは言え「忘れ去られてしまった」という話を俄に信じられなくなるのです。

是非、このハイフェッツの演奏を聴いた後で、もう一度ガゼッタの録音を聞き直してみてください。
あの時代にこの演奏を聴かされて、貴方は忘れ去ってしまうことが出来た思われますか?