バックハウス/ブラームス:6つの小品, Op.118

ブラームス/6つの小品, Op.118

ヴィルヘルム・バックハウス 1933年録音

バックハウスは1956年にもこの作品を録音しているのですが、そこではかなり強めのタッチでくっきりとしたラインを描きだしていて、ロマン派的な感情の入り込む余地のないザッハリヒカイトな表現に徹しています。
それと比べると、この若き時代の演奏の方が、ブラームス晩年の侘びしさのようなものをある程度のニュアンスを込めて演奏しているのがよくわかります。

晩年の演奏が「何も足さず、何も引かず、男は黙って辛口一献」という演奏だとするならば、こちらの方がもう少し「甘口」で愛想があります。

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