ブラームス/3つの間奏曲 Op.117
No.1 Andante moderato & No.2 Andante non troppo e con molto espressione
ヴィルヘルム・バックハウス 1935年録音
低声部をしっかりと響かせて入念に歌い上げていくスタイルには少しばかり驚かされてしまいました。
とりわけ第1番の「Andante moderato」は、これではもうどう考えても「moderato(より速く)」ではなく、逆方向に「より遅く」、いやもう「Adagio」か「Largo」ですね。
ところが、タイムを見てみると約4分半ですからそれほど遅いわけではありません。手元にあるバックハウスの56年の録音を調べてみるとこれより10秒少し遅いだけなのですが、感覚的にはかなり遅く感じます。
ちなみに、ブラームスのスタンダードとも言うべきカッチェン盤では5分を超えるのですけれども、体感的にはこのバックハウスの35年盤の方が遅く感じます。
おそらく、この演奏に体感的に近いにのは変態アフファナシエフ(^^;くらいかもしれません。
つまりは、それだけ情報量が半端ないと言うことなのでしょう。
素晴らしい演奏です。