バックハウス/エチュード 作品10

ショパン/12の練習曲 作品10

(P)ヴィルヘルム・バックハウス 1927年録音

1927年という超絶的に古い録音ですが、何度も繰り返しているように、きちんとスタジオ録音したものであれば、そしてこういう楽器1台のものであれば、音楽を楽しむのには充分なクオリティを持っています。
バックハウスという人は生まれて、そしてピアノを演奏して、死んでいった男です。
そのピアニストしての初めての本格的な録音がこのショパンのエチュードでした。

この時に既に40才を超えていたわけですから、彼は本当に古い時代に属する音楽家だったのです。
そんな古い時代に属しながら、彼は最後の最後までピアニストとして生き続け、ステレオ録音世にひろがる時代まで活動を続けたのです。

そんな偉大なピアニストの起点がはじめて気とんとした形で刻み込まれた貴重な記録です。
後年、ほとんどショパンは演奏しなかっただけに、その意味でも貴重です。