フルトヴェングラー 指揮 ベルリン・フィル/メンデルスゾーン:真夏の夜の夢序曲

メンデルスゾーン/真夏の夜の夢序曲

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1929年6月13日録音

フルトヴェングラーにとってナチスとの関係で大きな歪みが生じたのがユダヤ人作曲家との関係です。

例えば、このメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」は頻繁に取り上げていた作品なのですが、19933年にナチスが政権を奪取するとプログラムから消えてしまいます。そして、それは「真夏の夜の夢」だけに限った話ではなく、彼の全作品がプログラムから消えてしまうのです。
さらに、それはメンデルスゾーンだけに限った話ではなくて、ユダヤ系と思われた作曲家の作品は全てプログラムから消えてしまいます。

フルトヴェングラーはナチス政権下でもユダヤ人音楽家を保護していたとは言われるのですが、それだけに、この事は拭いきれない汚点の一つだと言えます。

なお、フルトヴェングラーは戦後にも「真夏の夜の夢序曲」の録音を残しているのですが(1947年盤)、何とも思い入れたっぷりに始まる演奏です。
29年盤と較べれば、全体の演奏時間で較べれば20秒ほど長くかかっているだけなのですが、私たちがフルトヴェングラーという名前から想起する曲線を多用した音楽になっています。

この29年の演奏では、決してテンポをあおっているわけではないのですが、妖精たちが何とも元気いっぱいに飛び回っています。
フルトヴェングラーの全盛期をどこにおくかを考える上では貴重な録音です